豆知識(1)ねじ製造に使われる主な材料
分類 | 名称 | 記号 | 用途例 |
棒鋼・形鋼 | 例) 一般構造用圧延鋼材 | SS400 | ボルト・ナット 等 |
鋼板・鋼帯 | 例) みがき特殊帯鋼 | S50CM | 歯付座金 等 |
線材 | 例) 冷間圧造用炭素鋼線 | SWCH** | 小ねじ・タッピング・ボルト・ナット 等 |
例) 硬鋼線材 | SWRH | ばね座金 等 | |
機械構造用 炭素鋼 |
例) 機械構造用炭素鋼材 | S**C | ボルト・ナット・ピン類 各種部品 |
例) ニッケルクロム鋼鋼材 | SNC *** | ||
機械構造用 合金鋼 |
例) ニッケルクロムモリブデン鋼 | SNCM *** | キャップボルト・ホーローセット 等 |
例) クロームモリブデン鋼 | SCM *** | ||
例) 高温用合金ボルト材 | SNB ** | 高温用ボルト・ナット 等 | |
特殊用途鋼 | 例) 硫黄快削鋼鋼材 | SUM31 | 切削ねじ 等 |
鋳鍛造品 | 例) 炭素鋼鍛鋼品 | SF440A | 蝶ボルト・蝶ナット 等 |
表記 | 意 味(力の単位 muあたり) | 備考 |
12.9 | 約120kgまで荷重をかけても切れない. その90%の約108kgまでは荷重をかけても元に戻る |
キャップボルト/一部の高力六角ボルトなど |
10.9 | 約100kgまで荷重をかけても切れない. その90%の約90kgまでは荷重をかけても元に戻る |
キャップボルト(メッキ品)/高力六角ボルトなど |
8.8 | 約80kgまで荷重をかけても切れない. その80%の約64kgまでは荷重をかけても元に戻る |
8マーク六角ボルトなど |
4.8 | 約40kgまで荷重をかけても切れない. その80%の約32kgまでは荷重をかけても元に戻る |
六角ボルト(一般品)など |
(2)ステンレス ・・・・・・ 主に耐食を目的として使われています。
種類 | 特徴 | 代表例 |
マルテンサイト系 ステンレス鋼 |
Cr 12〜18%を含み、焼入れによって硬化する。 SUS431(C3)はNiを含有し、高い強度を持っているので、SUS410/420(C1)及びSUS416(C4)のグループとは別の鋼種として取り扱う。 耐食性としては、大気、水。蒸気、薄い酸には十分耐えられるが、表面に鉄粉が付着して汚れていれば錆びるので、最終製造過程で不働態化を行うことが必要である。 酸洗いを施したものは、水素脆性に注意し、もろさ除去のベーキング処理が必要である。 |
SUS410 SUS420 SUS416 SUS431 |
フェライト系 ステンレス鋼 |
Cr 12〜18%を含み、高温から急冷しても硬化しない。 この系統のねじ部品は焼鈍材の冷間加工によって所定の硬度が与えられるが、焼鈍時炭化物の析出によって耐食性が低下しないよう注意が必要である。 耐食性としては大気、水。蒸気、薄い酸には十分耐えられるが、表面に鉄粉が付着して汚れていれば錆びるので、最終製造過程で不働態化を行うことが必要である。 この系統のねじ部品は特に衝撃点の低い点に注意を要する。 0.1%Cを含むCr鋼の常温における衝撃値の変化をみると、Crが15%を越すと急激に衝撃値が低下する。これはフェライト中のC及びZnによる影響のためであるので、これらの含有量を減らすことによって改善できる。 |
SUS405 SUS430 |
オーステナイト系 ステンレス鋼 |
Cr 16〜20%、Ni8%以上をを含み、焼入れによって硬化はしないが、加工硬化性が著しく、1000〜1150℃に加熱急冷する溶体化処理により、耐食性、強靱性が改善される。 SUS316/316L(A4)はMoを含有し、耐食性が優れているので、SUS303(A1)及びSUS304/347/XM7(A2)のグループとは別の鋼種として取り扱う。 冷間圧造では304に代わりXM7が多く使用されている。 (1) 量産は一般には冷間加工によるが、複雑な形状の部品は温間加工、大径の部品は熱間鍛造する。 加工の中間で、1100℃程度に加熱後急冷して炭素やCr炭化物を基地に固溶させ、強靱性及び耐食性をよくする固溶化熱処理を施す。 この処理により、冷間加工によって生成したマルテンサイト組織は再結晶によって元のオーステナイト組織に戻り、耐食性も回復する。 応力腐食のおそれがあるねじ部品は加工後、残留応力除去のため、900℃程度に加熱して徐冷する熱処理を施すことがある。 転造したねじ部から発錆することがあるが、これは、冷間加工の結果マルテンサイトを含む二相組織となり、局部的に耐食性が低下したためである。 (2) 海水中で作動する機械を締結している部品には、応力腐食に基づく破壊がしばしば発生する。これは腐食環境の下で引張応力が作用する部品が破壊する現象である。その対策としては残留応力除去、Ni含有量の高い材料の使用、割れの感受性を低下させる表面加工等が考えられる。 (3) 海水中に長期間ステンレスねじ部品を浸漬すると、局部腐食又は点食が発生する。Crステンレス鋼では、Cr量の多い程・同Cr量ではオーステナイトねじ部品の方が点食を起こしにくい。更に、Moは点食感受性を減少する最も有効な添加元素である。SUS316が優れた耐海水性をもっていることが判る。 (4)この系統の材料は600〜800℃の高温で粒界にCr炭化物が析出する粒界腐食発生の欠点がある。これはCr炭化物が析出するとその付近の基地のCrが欠乏し、不働態化に必要なCr量が12%より低下するからである。これを防ぐには炭素量を0.07%以下、できれば0.03%程度に下げるか又は安定炭化物をつくるTi(チタン)、Nb(ニオブ)のような合金元素を加えて均一に分散させ(安定化ステンレス鋼)、Crが炭化物になるのを防止する必要がある。 (5)この系統のねじ部品では、応力−歪曲線に明確な降伏点がみられないので、0.2%永久伸びの応力δ0.2を耐力とするが、焼鈍状態の降伏比(耐力/引張強さ)が他のステンレス鋼より低く、40〜50%である。しかし、冷間加工時の加工硬化性は非常に大きい。Niはこの加工硬化性を抑制するのであるが、Ni7〜12%で効果が最大とされている。 |
SUS304 SUS305J1 SUS310S SUS316 SUS316L SUSXM7 |
BUMAX ステンレス |
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材質 区分記号 |
ネジの 呼び径区分 |
引張り強さ (N/mu) |
耐力 (N/mu) |
伸び (%) |
主な 合金番号 |
製品 |
AL1 | M1.6〜M10 | 270 | 230 | 3 | A5052 等 | 小ねじ類など |
M12〜M20 | 250 | 180 | 4 | |||
AL2 | M1.6〜M10 | 310 | 205 | 6 | A5056 等 | ボルト類・ ナット類など |
M12〜M20 | 280 | 200 | 6 | |||
AL3 AL4… | ||||||
AL6 | M1.6〜M39 | 510 | 440 | 7 | A7075 等 | キャップボルト |
参考 | ||||||
鉄 ボルト (強度区分4.8) |
420 (最小) |
340 (最小) |
20〜22 | SWRCH □□ | 小ねじ・ボルト・ナットなど |
参考資料(2) アルミニウム合金の種類及び材質による用途区分 |
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備考…以下の合金番号は一例です。材料形状や用途、メーカー等により異なる呼称や番手が存在します。 |
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合金系統 |
主な合金の種類 |
特徴及び用途 |
1000系アルミニウム |
A1070 |
1000番台表示のアルミは純アルミニウムをあらわしている。 |
2000系合金 |
A2017 |
A2017、A2024はジュラルミン、超ジュラルミンとも呼ばれ、2000系合金を代表する材質として知られている。 |
3000系合金 |
A3003 |
この合金はマンガンの添加により、純アルミニウムの加工性や耐食性をそのままに強度を向上させたものである。 |
4000系合金 |
A4032 |
4000系合金はシリコンを添加することにより、熱による膨張を抑え、耐磨耗性の向上を狙ったものである。 |
5000系合金 |
A5052 |
マグネシウムを添加して強度と耐食性を向上させた合金。 |
6000系合金 |
A6061 |
マグネシウムとシリコンが一定の含有比で添加されており、熱処理による時効硬化に寄与する。 |
7000系合金 |
A7072 |
亜鉛とマグネシウムを添加し熱処理を行うとアルミ合金中、最も高強度の合金となる。 |
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